アルトコイン市場に上昇サインか「モンスター級のシーズンが始まる」アーサー・ヘイズ氏


「アルトコイン急騰に備えよ」ヘイズ氏見解

仮想通貨取引所BitMEXの共同創設者であるアーサー・ヘイズ氏は2025年7月11日、自身のX(旧Twitter)の投稿で、仮想通貨市場において「モンスター級のアルトコインシーズンが間もなく始まる」との見解を示しました。

ヘイズ氏は、米国財務省によるTGA(政府一般勘定)資金補填により市場の流動性が低下し、ビットコイン(BTC)やアルトコインの価格に下押し圧力がかかることを懸念していました。しかし、今週の急騰を受けて、こうした懸念は後退したと述べています。

11日にはビットコイン価格が過去最高となる約118,900ドル(約1,750万円)を記録しており、同氏はこれを市場心理の回復を示す兆しと捉えています。

こうした展開を受けて、ヘイズ氏は「以前の弱気見通しはもはや当てはまらない」との認識を示しました。

さらに、BTCの史上最高値更新や、主要アルトコインであるイーサリアム(ETH)の価格上昇を受けて「モンスター級のアルトシーズンに備えるべき」と語っています。

前回のエッセイでは、TGAの補填を理由にやや弱気な見方をしていましたが、状況が変わりました。

ビットコインは好調な出来高を伴って史上最高値を突破し、イーサリアムも追随しており、今後はアウトパフォームが期待されます。

モンスター級のアルトコインシーズンに備えてください。

ヘイズ氏が示すアルトコイン高騰を裏付ける3つの要因

ビットコイン高騰で相場が転換

ヘイズ氏は、昨年から米国の金融政策や財政動向を踏まえた独自の市場分析により注目を集めてきました。今回強気姿勢に転じた背景には、ビットコイン価格の急騰と取引量の増加があるものとみられています。

同氏は「BTCが好調な取引高を伴って史上最高値を突破し、ETHも追随している」と述べた上で、アルトコインがビットコインを上回るパフォーマンスを発揮し始めているとの見方を示しています。

同氏は以前から、ビットコインが一定の価格水準を超えた段階でアルトコイン市場が本格的に活発化すると指摘しており、今年5月には「BTC価格が11万ドルを超えればアルトコインシーズンが本格化するだろう」と予測していました。

足元ではビットコイン価格が過去最高値を更新しており、ヘイズ氏はこれが5月の予測通りであることを踏まえ「次のサイクル(アルト急騰局面)が始まった」との見解を示しました。

マクロ経済要因と仮想通貨市場への資金流入

また、ヘイズ氏が強気姿勢に転じたもう一つの要因として、マクロ経済環境の追い風も挙げられています。

同氏はトランプ大統領の関税政策について「TACO=Trump Always Chickens Out(トランプ氏はいざとなれば関税で折れる)」と表現し、関税の軟化が世界経済の安定につながるとの見方を示しました。

関税の引き下げによって国際貿易が活性化し、さらに米ドル安が進めば、投資資金の一部が仮想通貨市場へと流入する可能性があります。同氏はこうした状況が、高いボラティリティと収益余地を持つアルトコインにとって強い追い風になると分析しています。

加えて、米国の巨額債務問題を背景に、将来的な金融緩和への期待も高まっていると指摘しました。

これにより、市場には潤沢な流動性が供給され、アルトコインなどのリスク資産にはさらなる上昇余地が生まれるとの見方が強まっています。

ヘイズ氏は自身の直近のブログ投稿で、米大手銀行が発行するステーブルコインによって、最大6.8兆ドル規模の新たな国債需要(流動性)が創出される可能性があると試算しています。

こうした「流動性バズーカ」は仮想通貨市場にも波及し、アルトコインの価格上昇を後押しするとの見通しを示しました。

ETHがけん引する次の上昇局面

ヘイズ氏は特にイーサリアムの動向に注目しており「次の大きな上昇はETHが牽引し、BTCをアウトパフォームする可能性がある」と述べています。マクロ経済環境に対する感応度の高さも、その理由の一つとして挙げました。

イーサリアムは直近数日の上昇で約3,000ドル(約44万2,000円)を突破しており、その背景には、大型アップグレード「Pectra(ペクトラ)」の成功と利用用途の拡大により、ETHの基礎的な価値が高まっていることがあると見られています。

ヘイズ氏は「ETHはもはや単なる技術基盤にとどまらず、企業の財務資産(準備金)としての役割も認識されつつある」と指摘し、その存在価値の高まりにも言及しました。

実例として、米ナスダック上場企業のGameSquare(ゲームスクエア)社は1億ドル(約147億円)規模のETH投資戦略を発表しています。

さらに、SharpLink Gaming(シャープリンク・ゲーミング)社は追加で1万ETHを購入し、保有量を21万5,000 ETH以上に拡大しました。こうした動きからも、機関投資家がETHの価値を認め、積極的に取得している傾向がうかがえます。

ヘイズ氏は、イーサリアムについて「市場から過小評価されてきたレイヤー1」であると指摘しています。

過去のサイクルでも、こうした低評価の資産は反転局面で大幅な価格上昇を記録する傾向があるとし、今後の強気相場ではETHを筆頭に主要アルトコインがBTC以上のパフォーマンスを見せる可能性が高いとの見解を示しました。

アルトコイン市場に追い風強まる

ヘイズ氏の強気姿勢と歩調を合わせるように、市場ではアルトコイン価格の上昇傾向がすでに見え始めています。

アルト主要銘柄「ETH・XRP」が価格上昇

代表的なアルトコインであるエックスアールピー(XRP)は、記事執筆時点までの24時間で約14%急騰し、1 XRP=2.82ドル(約415円)に達しました。イーサリアムも同期間に8%上昇し、3,000ドル(約44万円)超の水準に回復しています。

市場データによると、執筆時点で約98%のアルトコインが直近の上昇局面でビットコインを上回るパフォーマンスを示しており、市場はビットコイン主導からアルトコイン主導へと移行しつつあると伝えられています。

トレンド突破が示す強気シグナル

Xフォロワー数約38万人を有する著名トレーダーのマールライン氏は7月6日の投稿で「アルトコイン全体の時価総額チャートが長期トレンドラインを再び上抜けた」と分析しました。

このトレンドラインは、2017年および2021年のブル相場前にも機能していたとされ、「歴史的な価格上昇への転換点(ブレイクアウト)の兆候が見られる」と指摘しています。

これは弱気相場から強気相場への転換を示す重要シグナルであり「今後アルト市場全体で急速かつ大幅な価格上昇が起こる可能性が高まっている」と分析されています。

アルトコイン市場に広がる強気ムード

また オランダ出身の著名アナリスト、ミカエル・ヴァン・デ・ポッペ氏も6月8日に「アルトコインシーズンは誰も信じていない今この時からすでに始まっている」との見解を示しました。悲観的なセンチメントが広がる局面こそが、絶好の参入機会になると主張しています。

このように、複数の専門家がアルトコイン市場の本格的な反発に言及している現状は、ヘイズ氏が予測する「モンスター級アルトシーズン」の到来可能性を裏付ける材料の一つとされています。

現状、市場指標であるアルトコインシーズン指数(Altcoin Season Index)は、記事執筆時点で「29/100」となっており、これは過去の基準から見ると本格的なアルトシーズン入りとは判断しづらい水準です。

ただし、ビットコインの過去最高値更新やイーサリアムの上昇基調、グローバルな投資マインドの改善といった要因が追い風となり、アルトコイン市場は今後さらに勢いを増すとの見方が広がっています。

ヘイズ氏も「現在進行中の力強いビットコインのモメンタム、イーサリアムの技術アップグレード、良好なマクロ指標が相まって、市場はさらに強化される可能性がある」と述べています。こうした中、“モンスター級”のアルトコインラリーが実現するかどうか、投資家の注目が集まっています。

※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=147.33 円)

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Source:アーサー・ヘイズ氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像


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